マイクラのビデオ設定には「視野角(FOV)」という項目があります。これは、画面に写す範囲を調節できる機能です。普段は自分の遊びやすい範囲に設定していて良いのですが、スクリーンショットを撮る時に視野角を意識すると、いつもより素敵な写真が撮れるかもしれません。
今回はマイクラの視野角の設定をカメラのズームレンズのように使って、思い通りのスクショを撮る方法について考えてみたいと思います。なお、今回は視野角に着目したスクショの撮り方ということで、色補正などについては行わないものとします。
視野角を変えると何が起きる?
マイクラでは、視野角の数値が小さいほど見える範囲が狭くなり、数値が大きいほど見える範囲が広くなります。「画角」なんて言ったりしますよね。視野角が広くなると画面端に歪みが出てきます。
また、同じ範囲を写すのでも、自分の立ち位置で写す範囲を変えるのと、視野角で写す範囲を変えるのでは、見え方が少し変わってきます。

駅を視野角60で撮りました。正面から撮るために、足場で高い位置から撮っています。自然な見え方ですね。見たままという感じ。

一枚目と同じ大きさで駅が写るように、視野角90で撮りました。少し近づいて撮っていますが、背景がぎゅっと中央に集まっています。背景の家ももっと遠くにあるように見えますね。
みんなの視野角はどれぐらい?
世のマインクラフターはどれぐらいの視野角でプレイしているのでしょうか?xでアンケートを取ってみたところ、約50人もの人が回答してくれましたので、参考にしてまとめてみたいと思います。ご協力いただいたみなさん、ありがとうございました!

・自然な見え方の60〜70ぐらい
マイクラのFOVはデフォルトが70に設定されているので、そのまま遊んでいる人も多いのだと思います。視野角を広く設定すると、画面に歪みが出て酔いやすくなると言われています。3D酔いしやすい人は60〜70ぐらいに設定してみるといいのかも。

・バランス派の71〜90
より広い範囲が見えて、画面の歪みが最小限に抑えられる71以上90程度までで遊んでいる人が多いようです。私がxで行ったアンケートでは一番のボリュームゾーンとなりました。私も普段は90で、スクショを撮るときに変更する感じです。

・PVPの世界、91以上〜最大
画面の歪みがあっても視野の広さを優先する91以上の人も少なくないみたいでした。マイクラjava版ではQuake proと呼ばれることもあります。視野角最大!なんて人もいましたよ。
iPhoneのカメラで考える「視野角」の違い
マイクラの視野角の設定についておさらいしたところで、視野角の違いが写真にどの様な影響を与えるのか整理してみます。この記事は「マイクラの視野角設定はカメラのズームレンズのように使い分けられるのでは」というテーマで書いていますが、カメラに詳しくない人でもイメージしやすい用にiPhoneのカメラを例にとって考えてみます。
※筆者も特別カメラに詳しいわけではありません
iPhone pro系についている3種類のレンズ
最近のiPhone(pro系)には、次のような3種類のレンズがあります:
- 超広角(13mm相当)
- 広角(標準)(24〜26mm相当)
- 望遠(52mm〜77mm相当)
レンズが2つのiPhoneなら、超広角と広角の2種類ですね。カメラアプリで「0.5x / 1x 」と切り替えられる部分です。すでに撮った写真では、情報アイコンを押すと使用したレンズがわかります。
見え方の違いを比べてみよう
ある公園の遊具を、3つの視野角から、同じ大きさに映るようにして撮ってみました。背景の圧縮加減や、全体の見え方に注目して比べてみたいと思います。
0.5x(超広角)空間の広がり感・躍動感・スピード感

とても広い範囲を写せる超広角レンズです。自撮りをするときのように、近くのカメラで広い範囲を写したい時に使えます。手前のものが大きく、奥のものが小さく写ります。
後ろに大きく下がれないような場所で、大きな被写体を撮らないといけないときには便利です。次の広角レンズと同じ大きさに遊具を写すために、カメラを持ち上げないと行けなかったのが大変でした。
でも、端の方が引き伸ばされて“歪み”が出ていますね。画面の中央に向かって集中線の様にぎゅっと集まっていくような感じに見えませんか?遠近感が強調され、背景がグッと“引っ込んで”見えますね。風景を広く見せたいときや、空間に奥行きを出したいときに便利です。
1x(標準)自然な目線・現実感

人の見え方にいちばん近い広角レンズ(標準)です。超広角と比べると、画面に対して遊具は同じ大きさで写っているのに、地面の写っている範囲や、木の見た目が全然違っていますよね。良くも悪くも、見えたまま写っているという印象です。
撮影時の画面にグリッドを表示して、遊具が同じ位置に同じぐらいの大きさで写るように撮っています。
3x(中望遠)圧縮感・ドラマチック・静けさ・切り取り感
筆者のiPhone12miniには望遠レンズがついていないので、ミラーレス一眼の標準ズームレンズで代用しました。フジフイルムX-A5と、キットレンズのXC15-45mm、望遠端で撮ってみました。
iPhone 13〜15proの望遠カメラがフルサイズ換算で77mm、ミラーレスの焦点距離45mmは、フルサイズ換算で67.5mmです。少し差がありますがご容赦ください。

中望遠レンズでは、背景が手前と“同じくらいの距離感”で写ります。遠くのものが大きく見えたり、背景との距離感が圧縮されて「背景が近づいたように」感じられませんか?ドラマチックな写真や、雑然とした背景を切り取るような絵が撮れます。
中望遠で撮った写真が、一番地面が水平に見えますね。超広角や広角は上から見下ろしている感じが残っています。遊具の見え方も、望遠側だと側面や足場が見えないですね。超広角や広角より、まっすぐ前から撮っているように見えます。
視野角と立ち位置の決定
視野角は、次のようなことを考えて決定します。カメラに詳しくない人でも、無意識に使い分けているかもしれません。
- 被写体の大きさ
- 自分の立ち位置
- 写真のイメージ
それぞれ整理してみましょう。
被写体の大きさ
これは写真を撮る時に重要なポイントですね。「建物の写真を撮りたい」と思ったら、その建物をどれぐらいの大きさで写したいか考えます。
画面いっぱいに一つの建物を写すのか、小さく写して街の一部だということを伝えたいのか、そんな感じです。
自分の位置を変えずに被写体をより大きく写したい時には望遠レンズの望遠側で撮ったり、iPhoneの画面をピンチするデジタルズームを使ったりしますよね。
自分の立ち位置
被写体の大きさの調整には、自分(カメラ)の立ち位置も関わってきます。自分が近づけば被写体は大きく映るし、自分が離れれば被写体は小さく写りますよね。
例えば動物を撮る時や、崖・フェンスがある時など、これ以上近づけない状況で望遠レンズを使う事もあります。
また、被写体そのもののサイズが大きい場合には、(画面内に収めるために)自分が離れるか、0.5xをタップして広角レンズを使う必要があります。
先の遊具の写真を取る際にも、以下のように立ち位置を変えて撮っています。超広角だとすごく上の方から撮らないといけないんですよ。足場ブロックがあればいいのに。



マイクラの視野角とスクショの関係
iPhoneで写真を撮る時のポイントが整理できたところで、マイクラの視野角の設定とスクショの見え方をシーン別で考えてみましょう。
ここでは、iPhoneのレンズとマイクラの視野角の対応は以下のように設定しました。
- 0.5x = マイクラの視野角110〜120くらい(超広角)
- 1x = マイクラの視野角70〜80(自然な見え方)
- 2x〜3x = 視野角30〜50くらい(望遠レンズのような見え方)
建築物全体を見せたい時
建物の全体を見せたい時、視野角はどれぐらいに設定すると良いのでしょうか?周りの風景をどれぐらい写り込ませるか、建物を溶け込ませたいのか、目立たせないのかで使い分けられそうです。建物自体の奥行き感にも違いが表れています。
実際の立ち位置は視野角が小さいほうが遠いのですが、背景に関しては逆の印象を受ける気がしました。30のほうが、近づいて撮っているように見える気がします。



風景全体を見せたい時
風景全体を見せたい時は、どうでしょうか?この場合は、どの程度離れて撮れるかというロケーションの問題と、写真全体をどのような印象に仕上げたいのかで使い分けられそうです。それぞれの視野角で、同じ範囲が写るように立ち位置を変えて撮ってみました。
視野角を小さくして望遠っぽくスクショを撮ると、ミニチュア風・ジオラマ風に見えることがあります。これは、写真の世界で「圧縮効果」と呼ばれる現象に近いです。奥行き感がなくなって、ジオラマっぽく見えるのです。かわいいですね。



視野角70は自然な見え方ですが、個人的には35がミニチュアっぽくてかわいいので気に入りました。なのですが、すごく離れないといけないので撮るのはちょっと大変です。
実際にはこんな遠くから撮っています。(これは視野角70)

防具やスキンを見せたい時
三人称視点で自撮りするときの距離感です。狭い通路でアップで撮る方法もありますが、今回は開けた場所で撮っています。全身を写すなら、視野角50〜70で撮ってトリミングすると良さそうですね。すべて同じ位置から、視野角だけを変えて撮っています。



便利な視野角の使い方Tips
ここでは、ちょっと便利な視野角の使い方を紹介します。
自分の立ち位置を変えずに写す範囲を変える
マイクラのサバイバルモードで高い位置からスクショを撮りたい時、足場をたくさん積んで撮る方法が一般的かなと思います。そんな時、足場を積んでだ後で「あぁもうちょっと手前で撮りたかったな」と思っても、足場を崩して移動するのは少し手間ですよね。こういう時は、視野角を小さくすれば少しズームアップできますよ。下の2枚の画像は、同じ位置から撮っています。


ブロックの側面を極力写したくない時
マイクラでは、視野角を広く設定して近くからスクショを撮ると、画面端の方に歪みがでて、ブロックの側面が広く写ります。ブロックの側面を映したくない時は、視野角を小さく設定して、もっと離れたところから撮ると、正面から写せます。
以下のスクショだと、外側の文字の側面の見え方で比べてみるとわかります。夜の撮影で見えにくい上に構図がズレていてすみません。


FOVで調整する vs 撮ってからトリミングする
「ちょっと大きく写したいけど近づけない…」というとき、撮ってからトリミングするよりも、視野角(FOV)を狭くして“望遠っぽく撮るほうが画質の劣化を防げます。
望遠の「静けさ」と広角の「躍動感」
ここではサンゴ礁で撮ったスクショで、望遠と広角での印象の違いを比べてみます。視野角が小さいと静止して見えて、視野角が大きいと泳いでいるように見えます。
また、視野角が小さいと、被写体を意識して撮っているようなスクショにも見えます。黄色いサンゴと魚を撮りたかったことが伝わりますね。視野角が大きいと、このサンゴ礁が大きく広がっているということがわかります。


望遠で得られる圧縮効果
望遠(視野角30〜50)では、背景の圧縮効果でミニチュアやジオラマのような雰囲気のスクショが撮れます。いろいろなロケーションで数枚撮ってみたので紹介します。



超広角で撮る面白いスクショ
超広角(視野角最大)では、風景が中央に集まる、または外側に向かって引き伸ばされるので、集中線のような効果を狙ったり、スピード感が伝わるスクショが撮れたりします。



作品とプレイヤーを一緒に写す
建物と自分を一緒に写すのは、バニラの自撮りではちょっと難しいです。マイクラの仕様上、どうしてもプレイヤーを真ん中にしか配置できないからです。この場合は、広角ぎみで建物全体を写した後に、トリミングで余分な部分を取り除くしかないのかもしれません。
マルチで友人にとってもらったり、自分で別アカを持っていれば完全な第三者視点から撮れますね。

視野角90でほしい構図を含めるような感じで撮って、あとでトリミングします。

狭いところで撮るとドアップに
壁に至近距離で立って三人称前方にすると、ドアップで撮れます。トリミングいらずの高画質ドアップ。だから何というわけではないですが。


視野角を変えれば、スクショが変わる
今回は、マイクラの視野角の設定をカメラのレンズに対応させて、スクショをより素敵に撮る方法を考えてみました。
視野角の設定 | 見え方の特徴 | おすすめの使い方 |
---|---|---|
広角(110〜120くらい) | 広い範囲が写るが、端に歪みが出やすい | 建築物全体や広い風景を撮る時に便利 |
標準(70〜80くらい) | 人間の見え方に近い自然な画角 | キャラクターや細かいディテールを撮る時に最適 |
望遠(30〜50くらい) | 被写体が大きく写り、背景が圧縮される | 遠くの建築物や特定の部分を強調したい時に使う |
マイクラの視野角は、カメラのレンズでいうところの広角から望遠までに対応しています。視野角を広げると広い範囲が写せる反面、画面端に歪みが生じやすくなります。一方、視野角を狭くするとズームアップしたような見え方になり、被写体を大きく強調できます。
xやブログにスクショをアップするときに、役立ちそうですね。目指せスクショ職人!
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