タブレットやスマホが身近になった今、「子どものスクリーンタイムの管理」には悩みますよね。スマホやYouTube、ゲームなど、“デジタル育児”とどう向き合うかは、家庭によって様々だと思います。今回は、わが家が実践しているスクリーンタイムのルールや使い方の工夫を紹介します。
スクリーンタイムは「時間」よりも「内容」と「質」
子ども向けの動画やタブレット学習は、手軽で食いつきも良く、忙しい育児の中ではとても助かるツールです。けれど、親としてやはり気になるのは「スクリーンタイムってどれくらいが適切なんだろう?」ということではないでしょうか。
よく自治体などでは「1日2時間まで」といったガイドラインが提示されています。でも、私自身はこの数字を「ただ受け身で動画を見続けるような時間」を指していると解釈しています。
テレビ、動画、ゲーム、電子書籍…。一言でスクリーンタイムと言っても、その中身はさまざま。大事なのは、“何時間見たか”より“どう使ったか”だと感じています。受動的に動画をぼーっと見る時間を減らして、能動的に考えたり、学んだりする使い方にしていくことがポイントなのかなと。
スクリーンタイムが与える影響とは?
スクリーンを長く見すぎると、以下のような点が心配されます:
- 「スクリーンを見ていた時間は、他の活動の機会を失っている時間でもある」ということ
たとえば、2時間動画を見ていたら、本当は外遊びをしたり、親子で会話したりできたかもしれません。 - 人との関わりが減ることで、言葉や社会性の発達にも影響があると言われています。
- 目が疲れる、瞬きが減る、姿勢が悪くなるなど、身体面への影響も起こり得ます。
一方で、質の高いスクリーンタイムから得られるものも
とはいえ、すべてのスクリーンタイムが悪いわけではありません。質の高い使い方であれば、こんなプラスの効果も期待できます:
- 知育系のコンテンツや番組で学習効果が得られる
- 親子で一緒に見ることで話題が生まれ、コミュニケーションのきっかけに
- テレビや動画で見たことを、実際にやってみようとする好奇心や行動力につながる
カナダ小児科学会が紹介しているPonti氏の論文(2023年)でも、親が関与する能動的なスクリーン利用は、子どもの発達に良い影響を与えると指摘されています。スクリーンを使うこと自体が悪いのではなく、どう使うか、誰と使うかが大事なんですね。
スクリーンタイムをどう管理している?
以上の事をふまえて、我が家ではどうやってスクリーンタイムを管理しているのか紹介します。
連続使用はNG。時間より“切り替え”重視
我が家では、ざっくりとしたスケジュール表を作って行動しています。そのスケジュール表には、幼稚園の活動表のように30分から1時間ごとに遊びの内容やお散歩の予定を書いています。その中には、息子の好きなYouTubeコンテンツだったり、テレビを見る時間、最近ではマイクラをやる時間も含まれています。
大好きなテレビやゲームの時間を大幅に制限されるのは大人も悲しいですよね。我が家では、スクリーンタイムを減らすというよりも、スクリーンに関わる予定が連続しないようにだけ気をつけています。予定を組む段階から、スクリーンタイムが連続しないように組んで、それを息子にも分かる形で見える化することで、「お散歩に行って、帰ってきたらピタゴラスイッチが見られる」とわかるようです。出かける前の、「もっとテレビが見たいのにー!」もかなり少なくなって、気持ちの切り替えができるようになってきました。

※このスケジュール表については、うちでどう活用しているかをこちらの記事でもまとめています。
親のスクリーンタイムも見直しました
子どもにだけルールを作るのでは不公平かな、と思って、私自身も時々スクリーンタイムの見直しを行っています。
- パソコンでできることはスマホでやらない
- 布団にスマホを持ち込まない(全然できていないですが、そうしたいと思っています)
- アナログでも良いことはスマホでやらない
スマホは「なんとなく」「暇つぶし」で触れてしまうことが多く、無意識のスクリーンタイムになりがちなのかなと思います。でもパソコンは、“目的を持って使うツール”として子どもにも見せやすいんです。「スマホ=だらだら見るもの」という印象を与えないように、大人の使い方にも気をつけています。
また、スマホで済ませられることでも、あえて他の方法を選ぶこともあります。

- 写真はスマホではなくカメラで撮る
- メモはデジタルではなく紙のメモ帳に書く
- 子どもと一緒に写真を見るときは、印刷したアルバムやiPadで見る
スマホは便利ですが、ずっと触っている必需品と思わせたくないので、あえて別のツールを使うことでスマホの出番自体を減らすように心がけています。
もちろん、一人でいるときや子どもが寝たあとには、スマホで漫画を読んだりxを見まくったりしていますけどね(笑)
外出時も“スマホに頼らない”習慣づけ
病院や飲食店での待ち時間、ついスマホを触りたくなる場面なのですが、できるだけスマホを使わずに済むよう、ちょっとした暇つぶしグッズをあらかじめ用意しておくようにしています。

- 子ども専用の「お出かけ手帳」
- ゲームブックや絵探しの本
- 写真を入れたアルバム
- 中古で買ったコンデジ(お散歩用)
たとえば、「アルファベットを探してごらん」「数字を2ずつ数えてみよう」といった遊びで、何も用意していなかったときにも、諦めずにスマホを遠ざけるようにしています(笑)
もちろん、自分自身もできるだけスマホを触らないようにしています。LINEでの連絡や手続きで必要なときは仕方ないのですが、「なんとなくSNSを開く」「通知をだらだら見る」ことがないように意識しています。(ぜんぜん完璧ではないけど)
上の写真の手帳はほぼ日手帳のカバーで、カバー自体がミッケで遊べるようになっているんです。このカバーに100均一で買ったA5バインダーを入れて使っています。

ルールには例外もあります
私が意識している「スクリーンタイムは連続してはいけない」という基本ルールですが、たまには例外もあります。そんなときには、「普段はだめなのになぜ今は良いのか」を、息子にきちんと説明するようにしています。
たとえば、息子は最近「RISUきっず」というタブレット学習で遊んでいるのですが、自分で「RISUきっずをやったらマイクラをする」というマイルールを決めました。息子が自分で言いだしたことなので、遊び→勉強の習慣づけに良いと思って、その時だけはスクリーンの連続でも良いということにしています。
また、車での長時間移動など、特別な場面では普段より長めに使ってよいことにしています。
こうした例外を設けるときは、「なぜいつもはダメなのか」「なぜ今回はOKなのか」というルールの本来の意味を、息子にもわかるように説明しています。これは、子どもを納得させるためだけでなく、夫婦間での温度差を小さくするためにもとても有効です。
わが家なりの「ちょうどいいスクリーンタイム」の見つけ方

スクリーンタイムって、「なるべく減らさないと」と思われがちですが、私は“何に、どう使うか”の方が大事だと思っています。動画でもゲームでも、子どもの好奇心や学びにつながっているなら、うまく付き合っていけたらいいなと。
それに、やっぱり親の使い方も影響しますよね。スマホをだらだら見ている自分を見せておいて、「YouTubeは1日◯分」って言うのも、ちょっと違うかな…と感じるので、私も時々見直すようにしています。(完璧にはできないけれど…)
あと、うちで意識しているのは、「子どものスクリーンタイムが親のフリータイムになりすぎないようにすること」です。もちろん、夕飯を作るときなんかは助かるんですけど、「その間に何を見てるか知らない」ってなるのはちょっと心配なので、自由に触れるiPadではなく、Eテレを見てもらう時間にしています。息子はピタゴラスイッチやデザイン「あ」neoがお気に入りです。
まだ試行錯誤中ですが、ルールは固めすぎず、その時々の生活や成長の段階に合わせて、ちょっとずつ調整しながらやっている感じです。
🔍 参考リンク
・Ponti, M. A. (2023). Screen time and preschool children. Canadian Paediatric Society
https://cps.ca/en/documents/position/screen-time-and-preschool-children
RISUきっずについては以下の記事で紹介しています
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